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アニーだより

日本初、医療的ケア児専門のシッター事業 「医療的ケアシッター ナンシー」を立ち上げ 9月1日サービスイン

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病児保育専門シッター事業で15年、障害児保育で5年の運営実績を持つ国内唯一の事業者として、認定NPO法人フローレンスは、このたび日本初となる医療的ケア児専門の看護師によるシッター事業「医療的ケアシッター ナンシー」を2019年9月1日よりスタートします。

障害児保育のノウハウを活用し新しい支援を

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フローレンスは、医療的ケア児に長時間の保育を提供し、親御さんの就労継続を支援する日本初の事業「障害児保育園ヘレン」(2014年~)、「障害児訪問保育アニー」(2015年~)を運営し、これまでに都内でのべ100家庭以上の障害児親子の生活に伴走してきました。また、就学年齢となったヘレンやアニーの子ども達を特別支援学校へと送り出してきました。

障害児保育事業の運営を通じて、
・働いていないお母さん達は数分も休まることなく介護をしている
・医療的ケア児を受け入れる学童施設が圧倒的に不足している
・特別支援学校に通学できない障害児の受けられる訪問授業6時間しかない
といった、保育事業だけではカバーしきれない障害児親子に関わる様々な課題を知ることとなりました。

いっときも子どもから目を離すことが出来ない親御さんのレスパイト(一時休息)、就学年齢の医療的ケア児のニーズに対応するため、新規事業「医療的ケアシッター ナンシー」を立ち上げます。

訪問看護や複数の医療福祉制度を組み合わせるというスキームを使い、障害児家庭への支援を始めます。

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まずは、サービスイン後1年で都内30世帯のモデルケースをつくり、各家庭のニーズにオーダーメイドで対応していきます。同時に、全国で数万あると予想される医療的ケア児とその家族のニーズを代弁し、全国にこのモデルが広がっていくための提言活動を推進していきます。


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【利用案内】

  • 対象:23区内在住で0~18歳までの児童、ヒアリングにおいてお預かりが可能と判断された医療的ケア児・障害児
  • 利用可能日:月~金(土、日、祝および年末年始を除く)
  • 利用可能時間:9:00~18:00のうち3時間程度
  • 訪問回数:週に2回程度(要相談)※既にご利用の訪問看護やヘルパーと併せて利用できます。
  • 利用料:法律の定めに従い算定。なお自己負担は所得に応じた負担上限月額が設定され、ひと月に利用したサービス量に関わらず、それ以上の負担は生じません(交通費別途)

医療的ケア児親子をとりまく環境について

<医療的ケア児とは>

周産期先進医療の発達により、日本は500gで産まれても命が助かる「乳児死亡率が世界最低レベルの国」です。一方で、胃ろうやたんの吸引、人工呼吸器といった医療的ケアやデバイスと共に生きる障害児『医療的ケア児』は、国内で約18,000人と、ここ10年で2倍に増えています。医療的ケア児を育児する親御さんのうち母親のほとんどが仕事を辞め、24時間つきっきりで子どもの介護にあたっている現状があります。

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既存の訪問看護や福祉の制度を組み合わせ、一定の自己負担で長時間の医療的ケアシッター提供を可能に 

医療的ケア児の多くは数ヶ月から1年ほどでNICUから退院し、在宅医療に移行します。
一方で、保護者のレスパイトケア(介護者が行っているケアを一時的に代替することで、介護者が休息またはリフレッシュできるようにする支援)のインフラは圧倒的に不足しており、近年では、
休み無く医療的ケアを担う家族にもたらされる心身や暮らしの負担に注目が集まっています。

東京大学は、在宅で医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトケア利用状況とQOLの実態を明らかにする目的で「医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトとQOL(生活の質)に関する調査」を行いました。

9割以上の家庭で、医療的ケア児の母親が介護を主に担当。主たる養育者である母親の約7割は就業しておらず、医療的ケアを独りで担っているケースも10.9%存在。暮らし向きが「大変・やや苦しい」と回答した人は42.0%にのぼります。

■医療的ケア児の主たる養育者の状況について(回答者675名)

主たる養育者:母親(96.7%)、父親(3.3%)

平均年齢:43.6歳[範囲26-59歳]

就業状況:就業なし(69.6%)、フルタイム勤務(6.9%)、パートタイム勤務(18.3%)、自営業(5.2%)

主たる養育者の平均睡眠時間:5.4時間[範囲2-8時間](一般女性[40-44歳]の平均睡眠(7.3時間)より約2時間少ない)

主たる養育者の暮らし向き:大変・やや苦しい(42.0%、ふつう(42,2%)、やや・大変ゆとりがある(15.8%)

医療的ケアの実施者が家族内で他にいない:10.9

今回の調査では、保護者の健康に関連したQOLについて、身体的(活力、疲労、痛み等)・精神的(集中力、落ち込み等)・社会的健康(家庭内や仕事上の問題、人付き合い等)の3つの側面を測定する一般的な成人用調査尺度を用いました。スコアが高いほど健康度が高いことを示します。

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(出典:東京大学家族看護学分野 上別府研究室「医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトとQOL(生活の質)に関する調査」)

■主たる養育者のレスパイト状況(調査時から過去1週間)

主たる養育者の過去1週間における「公的サービス利用中のレスパイト時間0時間」と回答した人は30.1。「他の家族に任せてレスパイトできた時間0時間」と回答した人は36.5とそれぞれ最多回答となり、主たる養育者がレスパイト時間を捻出する難しさが伺える結果となりました。

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(出典:東京大学家族看護学分野 上別府研究室「医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトとQOL(生活の質)に関する調査」)

一方で、レスパイト時間が1日あたり平均2時間以上確保されている保護者は1日あたり平均2時間未満の保護者と比べて、社会的健康度が有意に高くなっていました。

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(出典:東京大学家族看護学分野 上別府研究室「医療的ケアを要する児童生徒の保護者のレスパイトとQOL(生活の質)に関する調査」)

スタートアップ資金を西友、村上財団、個人投資家が支援

初年度は投資年度となり、看護師採用・育成、バックオフィス運営体制構築のため資金が2,000万円必要でした。

合同会社西友「2019年度社会貢献活動助成プログラム」、および一般財団法人村上財団、個人寄付者として佐俣アンリ様(ANRI代表パートナー)、松本恭攝様(ラクスル株式会社 代表取締役社長CEO)より寄付を得て、事業スタートの目処を立てることができました。

フローレンスは親子領域における様々な社会課題に新規事業モデルで「小さな解」を提示し、自ら現場運営をしながら、社会インフラ化のための政策提言を推進しています。

行政制度や民間サービスがケアしきれていない社会課題を可視化し、あたらしい解決モデルを立ち上げるには、多額の初期投資が必要となります。こうしたフローレンスのチャレンジを共に牽引しているのが、支援企業、財団、そして多くの個人寄付者の方々です。2018年度までに約8,000人の個人寄付者がフローレンスの新規事業や政策提言、ソーシャルアクション活動を寄付で支えてくださっています。


<西友とフローレンスの協働について>

【被災地協働支援】
・2011年12月8日…放射能の影響で、外で遊べない子ども達のための屋内公園「ふくしまインドアパーク」をザ・モール郡山にてオープン
【ひとり親への病児保育サービス提供を支援】
・2012年1月…ひとり親約50世帯に病児保育サービス(2年間)を提供
・2012年7月~現在…店頭レジ募金による「ひとり親支援」スタート
・2013年7月…埼玉県川口市(南部)に病児保育サービス展開開始に伴う支援

【障害児保育園ヘレン支援】
・2014年9月…東京都杉並区に「障害児保育園ヘレン荻窪」を開園
・2016年…「障害児保育園ヘレン」への福祉送迎車両3台(荻窪・すがも・経堂)購入
・2017年10月…「障害児保育園ヘレン初台」開園に伴う福祉および医療備品の購入
・2018年11月…「障害児保育園ヘレン中村橋」への福祉送迎車両1台購入

【障害児訪問保育アニー支援】
・2015年…「障害児訪問保育アニー」立ち上げ
・2017年…「障害児訪問保育アニー」職員育成費用

【フローレンスの赤ちゃん縁組事業】
・2017年…「妊娠相談及び特別養子縁組」の支援活動費用・2018年…「にんしん・養子縁組相談カード」制作、相談員育成費用

ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社/合同会社西友
執行役員 人財部 部長 黒川 華恵氏 コメント

『 西友は、障がいの有無、性別、国籍などに関わらず、全ての人が社会に参加できる「ダイバーシティ &インクルージョン」の取り組みを推進しており、その取り組みの一環として、フローレンスさんを支援させていただいております。誰もがその人らしく活き活きと参画できる社会を実現するために、フローレンスさんと協同で取り組んでいけることを大変嬉しく思います。』

西友の「社会貢献活動助成プログラム」について

本プログラムは、親会社のウォルマート・インクがグローバルで展開している社会貢献活動の方針に沿って、「機会創出(Opportunity)」「環境(Sustainability)」「地域社会Community)」の3つの分野で、社会的な課題の解決に向けて活動を行っている団体に対して、西友が助成金を拠出するものです。
今後もフローレンスへの助成同様、「機会創出(opportunity)」となるような社会的な課題の解決に向けての支援を推進してまいります。
https://www.walmartjapanseiyu.com/global-responsibility

<村上財団とフローレンスの協働について>
【村上財団】
村上財団は、村上世彰が設立したファミリー財団。日本の社会的課題解決のために活躍する非営利団体への使途指定寄付や助成を通じて、団体と共に議論を重ねながら、支援を必要とする方々や事象に対して、より多くの支援が継続的に届くようなきっかけとなる支援を目指しています。日本国内の社会的課題の解決に貢献する財団として、NPOへの支援実績多数。

【フローレンスへの支援実績】
・2017年2月 障害児保育園ヘレン経堂(世田谷区初の障害児保育園)開設支援
・2017年10月 新規事業「こども宅食」への支援
・2018年6月 なくそう!子どもの虐待プロジェクト2018 運営支援

一般財団法人村上財団 代表理事 村上 絢氏コメント

財団設立後、最初に寄付させて頂いたのがフローレンスさんの障害児保育園ヘレン経堂園の開設支援でした。何度かヘレンに足を運ばせて頂き、出会ったこども達の次のステップについて考えるようになった頃、今回のナンシー事業の開設のお話しを頂きました。こどもたちに多くの学びの機会が与えられること、そして、保護者の皆さまに心の余裕が少しでもうまれることを心より願っております。

<個人寄付者を代表して>
佐俣アンリ氏(ANRI代表パートナー)

日本ベンチャーキャピタル協会理事。慶應義塾大学経済学部卒業後リクルートに入社、EastVenturesを経て2012年にANRIを設立。独立系ベンチャーキャピタルとしてインターネットハイテクノロジー領域100社に投資実行。シードファンドとして日本最大規模となる94億円のファンドを運営中。主な投資支援先としてRaksul、hey、UUUM、Mirrativ、SmartDrive、CrowdWorksがある。

松本恭攝氏(ラクスル株式会社 代表取締役社長CEO)

1984年富山県生まれ。慶應義塾大学卒業後、A.T.カーニーに入社。コスト削減プロジェクトに従事する中で、6兆円の市場規模がある印刷業界に効率化が行われていないことに注目し、インターネットの力で印刷業界の仕組みを変えるべく2009年9月にラクスル株式会社を設立。印刷機の非稼働時間を活用した印刷のシェアリングプラットフォーム事業「ラクスル」を展開する。2015年12月からは物流のシェアリングプラットフォーム事業「ハコベル」も開始。2018年、Forbes JAPAN誌が選ぶ「日本の起業家ランキング」で1位獲得。


看護師の新しい活躍の場として

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本事業のモデルを拡大していくにあたり、看護師の力が不可欠です。医療的ケア児とその家族が、地域でその人らしく暮らせる社会を実現するというフィールドで、看護師の新たな活躍の場が広がります。

ナンシーについて詳しくはこちら

看護師採用についてはこちら

フローレンスの新規事業や「あたらしいあたりまえ」を立ち上げるチャレンジのため、スタートアップの資金が必要です。

ぜひ、これからもフローレンスの取り組みを寄付で応援してください。

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