初めての子育てには、不安がつきもの。
特に、お子さんに医療的ケアが必要な場合、どんな風に子育てしたらいいの?自分の仕事はどうする?保育園には預けられない……?と不安な気持ちを抱える親御さんもいらっしゃいます。
フローレンスでは、障害の有無に関わらず、すべてのお子さんが保育を受けられ、親御さんが働くことを選択できる社会を目指して、「障害児保育園ヘレン」「障害児訪問保育アニー」を運営しています。
今回は、「障害児訪問保育アニー」元利用者の親御さんからいただいたメッセージをご紹介します。
アニーとの出会いで、お子さん自身や親御さんの生活にどんな変化があったのでしょうか。是非ご覧ください。
長男は1年前まで3年あまり、アニーのお世話になっていました。区立の認可保育園に通ういまでも、長男にとってアニーはいわば「母校」であり、担任の先生は家族同然の存在です。
アニーと出会ったのは、4年前。
1811グラムという低出生体重児として生まれた長男は、なんとか体重も増え続けていましたが、食べたものを吐いてしまう胃食道逆流の症状が次第にひどくなり、1歳を過ぎたころから体重は停滞していました。主治医の先生からは「鼻から経管栄養のチューブを入れて、しっかり体重を増やしてから手術をしましょう」と持ちかけられました。
我が家は共働きで、ちょうど私が育休を終えて、共働きに戻ったタイミング。長男は、経管栄養のチューブから栄養剤を入れる「医療的ケア」が必要になったため、通っていた保育園では預かってもらえなくなりました。
やむなく交代で仕事を休んで長男を看ていましたが、妻は有休を使い果たして欠勤状態に。どちらかが仕事を諦めないといけないのだろうか――そう途方に暮れていたときに出会ったのが、アニーでした。
当時は「医療的ケア」という言葉も知らず、「経管栄養」「チューブ」「保育園」という言葉でひたすらググっていて偶然、見つけたのを覚えています。それでも最初は、親でも医療職でもないのに、医療的ケアが必要な子どもを看られるのだろうかと、ちょっと不安もありました。両親だって、大変なのに。
でも、そんな不安を払拭するくらい、アニーの先生たちは熱心でした。医療的ケアの手技はあっという間に身につけ、気がつけば両親以上に長男のことを理解している存在になっていたのです。
ある日のこと。療育センターで長男がリハビリを受けている最中に理学療法士の先生に嚙みついてしまい、私が厳しく叱ったことがありました。少し厳しすぎたのか、長男はしばらく私とは目を合わせてくれませんでした。引き継ぎのときにそんな話をすると、その日の夕方、アニーの先生が私にお手紙を残してくれました。
《○くん(*長男)が嚼むのはどんなときでしょう? 嬉しいとき。怒ったとき。そんなときですよね。嚼んだことを叱るのではなく、嬉しくても怒っても嚼まずにいられたことを褒めるようにしてはどうでしょうか》
アニーのお世話になって3年目。縁あって、現在の保育園に転園できることになりました。マンツーマンの保育から集団の保育に切り替わってもちゃんとやっていけるだろうか――。両親としてはかなり不安でしたが、思いのほかスムーズに移行できました。いまでは、夕方に保育園にお迎えに行くと、他の子どもたちに混じって遊んでいる長男の姿があります。
でもそれは、アニーの先生が付き添いながら、「交流保育」として1年近くその保育園に通った日々があったから。もし、アニーの3年間がなくて、いきなりいまの保育園に通っていたら、きっととても苦労したと思うのです。
知的にも身体的にも発育の遅れがあり、医療的ケアが必要な息子に寄り添い、その家族の伴走者となってくれる。アニーは、かけがえのない存在です。
医療的ケアの有無に関わらず、すべてのお子さんはそれぞれの自分らしさを持っています。
また、お子さんの心身の状況・年齢によって、意思表示の方法や必要とされるケアの度合いもさまざまです。
アニーは、1対1の保育だからこそ、お子さんの性格や発達の状況に応じて、一人ひとりに合わせた保育をていねいに考え、お子さんの成長を全力でサポートしています。
親御さんの気持ちに寄り添い、時にはともに試行錯誤しながら、お子さんの未来を支える伴走者でありたい。そんな気持ちで、これからも保育を届けていきます。
利用希望者向け オンライン説明会実施中!
「障害児訪問保育アニー」では、来年度、再来年度に渡って、職場復帰をお考えの方を対象に、利用希望者向け説明会を実施しています。
入園には説明会への参加が必須となります。2021年4月入園をご希望の方はお早めに説明会にご参加ください。
説明会はオンラインで開催しております。ご自宅で気軽にご参加いただけますので、少しでもご興味がある方はお申し込みください!