障害児訪問保育 Annie

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アニーだより

「その子なりの速度に寄り添いながら、成長を見守りたい」〜医療的ケア児に保育と看護の手を〜

  • hatena

障害児訪問保育アニーは、ご自宅でマンツーマンの保育をお届けする事業です。各家庭を保育スタッフ、看護師が訪問し、保育、看護の両面からお子さんの育児をサポートする仕組みになっています。

病棟での勤務とは、お子さんや親御さんとの関わり方も全く異なるアニー。そこで働く看護師はどんな思いで日々のお預かりを行っているのでしょうか。

ライターの碧月はるさんが、アニーで働く看護師の毛利さんにインタビューをしてくださいました。

「障害児訪問保育アニー」でのお仕事について

ーーアニーに入社した理由を教えてください。
毛利:アニーの求人をネットで見たのがきっかけでした。居宅訪問型保育というサービスがあって、そこで看護師として働けるということを知り、親御さん、お子さん一人一人とじっくり関わりあえる働き方が魅力的であると感じました。

ーー入社前に不安だったことはありますか?
毛利:フローレンスのHPに掲載されている記事や動画で、大体のお仕事の流れが把握できていたので、大きな不安はありませんでした。また、説明会のときのオフィスや人の雰囲気がとても明るく温かいものだったので、尚更安心できました。

ーーやりがいを感じる点、困難に思う点をそれぞれ教えてください。
毛利:やりがいを感じるのは、やはり子どもの成長が見られるとき、子どもの “初めて”を共有できる瞬間です。例えば、初めてお外を歩いた瞬間などに立ちあえる場合もあります。看護師という仕事を通して、病気のみならず日常も含めて共に歩める経験は貴重なので、とても嬉しく思います。

困難に思うのは、多職種連携の部分です。アニーでは保育士と看護師が一緒になってお子さんをみるのですが、情報共有等をする際、しばしば保育と看護の視点の違いを感じます。しかし、それは多角的な視点があるというメリットにも繋がっているので、困難というよりは、より理解を深めようと前向きに捉えています。

ーーマンツーマンで看護するにあたって、大切にされていることを教えてください。
毛利:まず、専門知識をフル稼働して子どもたちの健康を守るのが第一の役目だと思っています。また、日々訪問しているからこそ気付ける小さな変化を見落とさないようにしています。

その他には、ご家族にとって一番良い方法を探すことを大切にしています。医療的ケア一つにしても、親御さんが継続的にやりやすい方法を一緒に模索していきます。そのために、一つだけではなく幾つかの選択肢を提案しながら、ご家族としっかり話し合うようにしています。

ーー親御さんたちとのコミュニケーション、頻度や方法について教えてください。
毛利:朝、帰りの引継ぎで話す他、連絡帳でのやり取りも含めてこまめに連絡を取り合っています。また、チャットツールでリアルタイムにお子さんの体調の変化などをお伝えする場合もあります。

また、置き薬を飲むタイミングや病院受診のタイミングなど、親御さんが判断に迷っている際に相談に乗ることもあります。

一人きりで抱え込まない、相談しあえる現場作りを

かかり付けの医師、スーパーバイザー、保育士、看護師同士で連携を取り合い、気になる点や体調面での不安を感じた際には、即座に相談しあい早期解決を目指していると毛利さんは言います。

毛利:個々で仕事をしていますが、後ろで様々なチームと繋がっているので安心感があります。「ジャンヌ(フローレンスの訪問看護師の呼称)」のチームのみならず、チーム外の看護師にアドバイスをいただくこともあります。

子どもの体調の変化、心配ごとなどが発生した場合も、リアルタイムで連絡を取り合える体制が整っています。看護師一人で結論を悩む必要がないので、とても心強いです。

ーーインタビューをさせていただいた当日も、体調の急変があったお子さんの元に駆け付けたという毛利さん。具体的にどのように対応したのですか?
毛利:お子さんの元にいち早く到着できるよう、私は移動することに専念し、それ以外の看護師がミーティングなどを通して必要な話し合いを行いました。このようにチームで連携体制を取り、迅速で的確な看護を提供できるようにしています。

ーー子どもの具合が悪くなるときはいきなりだったりもするので、観察眼が必要ですね。
毛利:いちはやく体調不良の予兆をキャッチして、ケアするように心がけています。

医療の現場では、目に見える情報と耳で聞き取った情報から、アセスメントを行います。アセスメントには、読み取る力、推理する力が求められます。こちらは日々の看護記録に保管されており、情報を共有できる形になっています。

また、チームでのミーティングもこまめに行っています。地域の福祉の方や通常の療育施設、医療機関との連携も取りながら、ご家族にとってより良い形で保育、看護を提供できるよう話し合いを行います。

このように一人が問題を抱え込まないで済む現場作りは、働く側だけでなく、お子さんを預ける親御さんにとっても、ひいてはお子さん自身にとっても、大きな安心に繋がっていくことでしょう。

笑顔の花が咲くのは、心が繋がった瞬間

ーーお仕事中に一番笑顔になれる瞬間をお尋ねしたとき、毛利さんはこう教えてくれました。
毛利:玄関のチャイムを鳴らしてお部屋に入ると、子どもたちが私のあだ名を元気に呼ぶ声が聞こえるんです。私は毛利なので、「モーリー」って呼ばれているんですけど。「モーリー来た?」っていうはしゃぎ声が聞こえてきた瞬間は、もう、たまらないですね。

お話ができない子も中にはいるのですが、ハンドサインなどで合図をしてくれたりします。拍手でコミュニケーションを取ることもよくあり、気持ちが通じ合えたと感じるときは本当に嬉しいです。

このお話をしてくれたときの毛利さんの笑顔が、今でも目の奥に焼き付いています。心から嬉しそうに、愛おしそうに、顔をくしゃくしゃにして笑っている毛利さん。あぁ、この笑顔でいつもお子さんたちと接しているのだな、と一目でわかる表情でした。

入社しておよそ2年になるとのこと。2年間看護を通して関わり続けているお子さんもいらっしゃるそうで、アルバムなどを見返して成長をしみじみと感じる場面も多々あるようです。

毛利:アニーをご利用されているお子さんたちは成長や発達がゆっくりなお子さんが多いのですが、確実にその子なりの成長というものが見られます。長く丁寧に一人の子と関わり合えるからこそ、見える部分でもありますね。

ゆっくりでも成長している。

静かに、しかし確実に。そう言い切る毛利さんの言葉には、温かな愛情と強い意志を感じました。家族以外の人の支えがあってこそ、親御さんたちは安心して子育てに向き合うことができます。一人一人の成長を見守っていく。その根っこを支えるプロならではの力が、切実に必要なのだと感じました。

子どもの安全基地を守るためには、親の心にこそ安全基地が必要である

一人きりで育児のすべてを背負い込むのは、あまりにも大きな重圧になります。まして、医療的ケアがあるなら、それは尚更のこと。

子育てを通して感じる不安、悩み、そういったあれこれを相談できる場所がある。

いざというとき、頼れる人がいる。

子どもにとって家庭が安全基地であるには、そういうセーフティゾーンが親側にあることが何よりも求められます。親の心に安全基地があるか。それこそが、子どもたちが健やかに生き抜けるかどうかの分かれ道になっていると思うのです。

「障害児訪問保育アニー」が提供しているのは、看護や保育のサービスです。しかし実際にはそれだけに留まらず、親御さんたちの精神的な居場所、レスパイトケア(休息)に繋がるものであると、毛利さんのお話を聞かせていただくなかで強く感じました。

書いた人:碧月はる
ライター、エッセイスト。書くことは呼吸をすること。メディアにエッセイ、映画コラムを寄稿しています。
その他、noteにてエッセイ、小説を執筆中。note内私設コンテスト「Muse杯」Muse賞(グランプリ)受賞。
海と珈琲と二人の息子を愛しています。

“その子なりの速度に寄り添いながら、成長を見守りたい。”

アニーで働くスタッフは、お子さんの成長を最大限に伸ばすこと、親御さんに寄り添うことを最優先に考え、日々のお預かりを行っています。

職場復帰をお考えの親御さん、コロナ禍でも密集を避けながらお子さんの発達をうながしたいとお考えの皆さん、親子の新しい一歩に、ぜひアニーをご活用いただければと思います。


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