障害児訪問保育 Annie

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アニーだより

預け先のなかった重度障害児の保育を可能に!日本初の「障害児訪問保育アニー」が1周年を迎えました!

  • hatena

障害児訪問保育アニー1周年

 

日本初の「障害児訪問保育アニー」は、みなさまからの温かいご支援によって無事に一周年を迎えることができました。

アニーは2015年4月に2つの自治体において3名の利用者からスタートしました。2016年6月の時点では9つの自治体にまで拡大し、利用者は9名にまで増えています。サービススタートから1年で9名の障害児、慢性疾患児の家庭に保育を届ける事ができ、親御さんは就労を諦めずに社会に戻り活躍されています。

■『チューブがついている子の保育園入園は難しいですね…』と、役所の窓口で断られました

ご存知でしょうか。日本では、障害児の母親の95%が、フルタイムの仕事には就けません。

今の日本の保育園では、医療的ケアの必要な重度障害児は受け入れてもらえません。また、障害児対象の通所施設では母親同伴での通所を求められる事が多く、長時間の預かりはしていません。親御さんのどちらかが、仕事をあきらめてお子さんのケアをします。ほぼ一日中在宅でお子さんの介護にあたる、その精神的・肉体的負担は非常に大きいものです。

親が子の介護に付きっきりでなければならないため就労が難しくなることが多い障害児のご家庭では、収入も健常児の家庭より少なくなりがちで、そこに医療費・療養費の負担も加わるため経済的に厳しい状況に追い込まれます。

また、離婚率も一般の家庭よりも高く、障害児を抱えて母子家庭となってもフルタイムの就業が難しく、生活保護の受給を余儀なくされるケースも多々あります。

そしてなにより未就学の重症心身障害児や、医療的ケア児の人口は自治体も把握しておらず、就労できずに困っている家庭の数も把握できていません。そのため、障害児をもつ親御さんは行政の助けも得られず、就業すること、家庭の外で社会に関わることが難しい状況なのです。

■重度障害児の預け先がない、という問題を解決する ー ご自宅でお子さんをお預かりする「障害児訪問保育アニー」によって日本の障害児保育が変わります!

アニー保育の様子

アニーは障害児のご自宅に、毎日8時間を上限に保育スタッフが伺い、マンツーマンで保育をします。

お子さんは、いつものおうちという慣れた環境で、個々の状態に合った保育と訪問看護サービスを受けられます。看護師の訪問や事務局による万全なバックアップで、親御さんは安心して毎日、長時間就労することが可能となります。

日中の在宅保育だけでなく、療育やリハビリにも帯同します。また、自治体に働きかけ、連携園を設定し、交流保育の機会を作ります。お子さんにとっては小さいころから社会との接点が作られます。

アニーは障害児家庭の「第二の家族」となり、支えていきます。

さらにアニーは国の制度を活用することで、各世帯の収入に応じた保育料になります。つまり、所得に関係なく、誰もが利用できるサービスとなるのです。

アニーのロゴの、おうちを乗せる鳥のように、障害があっても一緒に飛び立てるような保育を目指します。

■現場に関わるスタッフの声「子どもが育つ環境にはいろいろな形があり経験体験ができる場所がここにはある」

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実際に障害児訪問保育の現場に携わってきたスタッフの声をご紹介させていただきます。

3名でスタートしたアニー保育。すべての子どもたちにあたたかな保育を目指して、子どもたちやご家族と向き合ってきました。
子どもたちを取り巻く環境はひとりひとり各ご家庭によっても考え方が違います。ご家族が何を大切にされているのか、お子さんに望むことはなにか。まずはそこを紐解いていくことから関係作りがスタートしました。家に毎日スタッフが来るということは頭でわかっていても、想像以上に今までの生活スタイルが変化し戸惑いを示すご家庭もありました。
そんな不安や様々な心境を変えてくれたのが子どもたちです。子どもの表情から「この人が来ると楽しい事が始まるんだ」と発信されると信頼感がぐっとアップします。ご家族との信頼がうまれると自然と遊びの幅や活動範囲が広がってきました。

親御さんだと「今までやったことがないから」や「これは嫌がるからやらせたことがない」など躊躇してしまい経験させないままだったり、楽しさを味わう前に諦めてしまう事がありますが、そこをスタッフが子どもとご家族にアプローチしていくことでご家族の意識が変わっていく。「こんなことできるんだ~」と思えることで、子どもたちには家族以外の大人と関わる社会性が大切であるということを、ご家族とともに感じられたのは、とても大きな1歩だったと思います。

1年通して感じたことは、たくさんの方々にアニーを知ってもらえたこと。集団保育に入れない子も保育が受けられる。子どもが育つ環境にはいろいろな形があり、経験体験ができる場所がここにはあるということを強く感じた1年でした。
(保育SV)

■アニー利用者の声「アニーのスタッフのみなさんは家族の一員」

アニーを利用されてきた親御さんの声もご紹介いたします。

医療ケアのある子どもを持ち、ことごとく保育園からは入園を断られ、復職期限が迫り困り果てていたところに障害児向け訪問保育サービスを検討している、という話を聞き飛びつきました。
アニーによる子どものレベルに合わせたきめ細やかな保育に、心から感謝しております。親であるわたくしでも気づかない、細かい変化もいろいろと報告していただき、無理矢理に保育園へねじ込むよりも、はるかによかったなと思っております。
医療ケアからの離脱も、もともと三年計画だったのですが、わたくしの予想を上回るスピードでたった一年で離脱することができ、これもひとえに毎日毎日、コツコツと水分摂取をトライしてくださったアニーのみなさまのおかげだと感謝しております。

本当に、ちいさな子どもにとってもアニーのスタッフのみなさんは家族の一員になったのだな、といつも感激で胸がいっぱいです。本当に、いつもありがとうございます。
(Mさん@新宿区)

■そして見えてきたこれからの課題

私たちは医療的ケアがあるため、集団保育園に通えないお子さんたちがいるということ、保育園に預けられないため、職場復帰または就労ができない親御さんがいることを「障害児保育問題」と名付け、主な対象は医療的ケア児であると想定して仕組みを作ってきました。

しかし、蓋を開けてみると、発達は順調であるものの喉などの疾患のため、集団保育で感染症にかかった場合に重篤化してしまうお子さんなど、「集団保育」よりも「おうちでのマンツーマン保育」が向いているお子さんも対象となりうることが、お問い合わせを受ける中でわかってきました。

まずは都内23区の「障害児保育問題」をなくすということが今の目標です。インターネットや保健師さんからの問い合わせは増えてきていますが、必要な人に情報が届いていません。多くの人がアニーを知り、必要な人に情報が届くように伝えていただくことにより、アニーを支えてほしいと心より願っています。

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